世界的なヒット作となった「ロード・オブ・ザ・リング（指輪物語）」の三部作（ピーター・ジャクソン監督）がミュージカル作品になる。来年三月に、カナダのトロントなどで上演される。ただ、舞台は絢爛（けんらん）豪華なCG（コンピューターグラフィックス）を多用した映画と違って、J・R・R・トールキンの原作の熱心なファンの要望に応える作品にしたいという。
　米メディアによると、プロデューサーは、傑作ミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」のテレビ版（英、二〇〇〇年）の制作総指揮を手がけたケビン・ウォーレス。ディレクターは、トニー賞も受賞した「アート」（九八年）のプロデュースで知られる英のマシュー・ワーカス。また音楽は、インド映画界（ボリウッド）で活躍中の作曲家で、英で大ヒットしたミュージカル「ボンベイ・ドリーム」の楽曲をてがけたA・R・ラーマンが担当するなど、映画のヴァージョンとはひと味違ったものになりそうだ。制作費は二千七百万カナダドル（約二十三億円）。
ステージでは、総勢五十人の俳優とミュージシャンが登場するが、原作の熱心なファンの要望に応え「（主要な登場人物の）ホビット族が歌ったり踊ったりするような内容にはならない」（プロデューサーのウォーレス）という。
当初は来年三月にロンドンで開演する予定だったが、「プロデューサーズ」や「メリー・ポピンズ」といった人気ミュージカル作品と競合することから、場所をトロントに変更。半年後にロンドンで上演、さらにブロードウェイでの上演をめざす。

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